複数段構造の小引き出し正面

神奈川県横浜市旭区の古道具買取|実家の整理・片付けで見つかった“べっ甲調”小引き出し


実家整理の中で浮かび上がったご相談の背景

今回ご相談をいただいたのは、神奈川県横浜市旭区でご実家の片付けを進めていたお客様からでした。

押し入れの奥から、新聞紙に包まれた小ぶりの引き出し箱が見つかったとのことです。

見た目は美しく整っている一方で、
素材が何か、価値があるのか、判断がつかない。

「捨てるには惜しいが、残す理由もはっきりしない」

その“止まる感覚”が、ご相談のきっかけになりました。

片付けの途中で見つかった“べっ甲調”小引き出し

包み紙をほどくと、べっ甲のような飴色の模様が浮かぶ小引き出しが現れました。

天面には黒色の金具装飾が施され、持ち手部分には彫りの意匠が見られます。

べっ甲調小引き出し 天面装飾の様子

側面から見ると、複数段の引き出し構造になっており、和装小物や細かな工芸品を収めるための箱物であった可能性がうかがえます。

お客様
「べっ甲なんでしょうか?本物かどうかも分からなくて…」
細川
「素材を断定する前に、まずは箱物としての作りや保管状態を見ていきましょう。一式として残っていること自体が判断材料になります」

引き出しは揃っており、大きな欠損は見られませんが、経年による小傷や擦れは確認できます。

新聞紙で包まれていたことから、長期間保管されていた様子が伝わってきました。

日常の中で使われてきた工芸箱物の性質

このような小引き出しは、鑑賞用として飾られてきたというよりも、和装小物や装身具を整理するための実用品として使われてきた可能性が高いものです。

表面の光沢や角の擦れは、使用と保管を繰り返してきた時間の積み重ねを示しています。

小引き出し 側面の経年感

重要なのは、素材を断定することではなく、「どういう位置づけで保管されてきたか」を読み取ることです。

包み紙に包まれた状態で残されていたことは、“無造作に扱われていなかった”ことの一つの証でもあります。

査定で直面する評価の現実

細川 賀津雄(ほそかわ かずお)

買取担当・細川

箱物の査定では、まず構造と状態、そしてまとまりの有無を確認します。

べっ甲調小引き出し 正面構造

期待と評価が一致しにくい理由も、整理してお伝えします。

評価が伸びにくい理由① 使用感

引き出しの角や持ち手金具に小傷やくすみが見られます。実用品である以上自然なことですが、状態の整い方は評価軸に影響します。

評価が伸びにくい理由② 同型・類似品の存在

べっ甲調の箱物は、同様の意匠・構造のものが複数存在します。外観だけで大きな差がつきにくいジャンルです。

評価が伸びにくい理由③ 単品では地味に映る点

豪華な装飾品と比べると、箱物は単体で見ると用途が分かりにくく、派手さも控えめです。しかし、生活の中での役割を含めて見直す必要があります。

使用感がある
同型・類似品が複数ある
単品で見ると地味に映る

それでも雑に処分すべきではない理由

新聞紙に包まれ、引き出しも揃った状態で残されていたこと。

この「整った保管状態」は、判断を急ぐべきではないサインでもあります。

箱物は場所を取らないため、実家整理の終盤でまとめて処分されやすい品でもあります。

けれど、素材や由来が分からないまま処分すると、後から引っかかりが残ることも少なくありません。

実家整理における「理由を残す査定」

マルミ工藝社では、素材を断定することよりも、「なぜその扱いになるのか」という理由を整理してお伝えします。

一式としての状態、経年感、保管のされ方。

それらを踏まえたうえで、ご相談者様が納得できる判断を選べるようにしています。

実家整理で迷ったときの考え方

箱物のように用途が限定される品は、分からないまま手放してしまうと後悔が残りやすいものです。

おすすめしたいのは、

  • まず現状のまま確認する
  • 素材を断定せず背景を見る
  • 迷いが出た時点で相談する
  • 分からないまま処分しない

整った状態で残っている品は、その“整い方”自体が判断材料になります。

実家整理では、スピードよりも「理由を持った判断」が後悔を防ぎます。