《骨董の流行りと廃り  その1》

骨董品は、基本的には古い物である。イギリスでは、最低100年は、経たないとアンティーク(骨董品)とは呼ばない。

日本でもせめて明治時代の終わり位の品物で無いと骨董品とは呼ばないから、大体基準は世界共通なのかも知れない。

なんとなく骨董品には、流行り廃りが無い気がするかも知れないが、実は以外に流行り廃りが激しい世界だ。

30年位前までは、骨董品と言えば、古い壺や日本刀を思い浮かべた事と思うが、現在ではその2つは、全くダメで、日本刀に至っては
30年前に50から70万円程で、銀座辺りの有名な刀剣商から買った日本刀の現在の価値は、1万円~5万円である。

そもそも、現在は日本刀を欲しがる人が激減して、むしろ物騒だから
なんとか処分したい人の方が多い。

昭和の時代には、日本刀は一種の精神的なシンボルの象徴で、土建屋の親方や地上げ屋系の不動産屋、或いはその筋の人とかが、必ず持って居たマストアイテムだった。恐らく武士道的な精神と、ハードな日常のノリがマッチしたのだろう。

でも、現在では、武士道なんて言ってるのは、余程マニアックな人達で、悲しいけど多分少し変な人扱いされてしまっていると思う。

日本人から武士道に繋がる礼節とか自己鍛錬とかが無くなってしまってから、どんどん変な方向にズレてきてしまった気がする。(つづく)