唐津焼の魅力について
古陶磁と言えば、六古窯の備前・越前・信楽・常滑・瀬戸・丹波が思い浮かびますが、現在は、人気に陰りがあります。
20年前は、古備前・古設楽と言えば、大人気で鎌倉時代の信楽焼デ藁の自然釉がどろりと掛かっていれば、数百万円は下らない逸品でしたが、現在は数十万円・・・景色(陶磁器の見栄え)がイマイチだと下手をしたら数万円程で市場で落札なんていう悲しい事も有り得るのが実情です。
しかしながら、六古窯では無いのですが、古唐津の人気は未だ翳りは見えません。特に鉄釉で簡単な絵が描いて有る絵唐津はファンが多く、高値で取引されています。
それはなぜか?
一つには、唐津の酒器の存在です。古唐津の盃と徳利は、育てる焼き物と言われています。
それは、唐津で日本酒を、呑めば呑むほど地肌に酒が染み込み、長い年月を経ると、トロリとしたいい味が出てくるのです。
それは唐津以外にはない経年変化で、日本酒好きに中には、唐津焼を手元に置いて、毎日酒を飲み、唐津を愛でながら唐津と共に歳を取りたいと夢見ている人が大勢います。しかしそれは簡単な事では無いのです。何故かと言えば本物の古唐津の盃は、150万円から200万円もする品がざらにあるからです。
古唐津は、制作期間も短く、現存する優品はとても少ない希少な焼き物です。