《骨董市場 その1》
骨董屋の仕入れに市場という場所がある。登録した業者しか参加できないオークションである。野菜や魚の市場や中古車オークションと同じ仕組みと思ってもらえれば間違いが無い。
《買取り屋》や《買い出し屋》が直接お客様から仕入れた来た品物を市場で売る。
買取屋と言うのは、ネット広告やチラシ、新聞広告などで買取の宣伝をして、出張買取りで仕入れをする業者。これは専門の業者もいるが、殆どの業者が店舗経営やネット出品の販売手法を兼ねていて、それぞれ品物に拠って、適合した売り方に仕分けして販売する。
また、市場も色々な場所に色々な特徴を持った市場が有って、茶道具専門市場、リサイクル品専門市場、古書市場、家具を主体とした市場など様々だ。
グレードに関しても色々で、高額な品物が中心の市場からガラクタばかりの市場まで、それによって参加する骨董品業者も違って来る。
実は、僕は骨董市場があまり好きでは無い。もともと、人を押しのけて前へ出るのは好きでは無いし苦手だ。夕方の肉屋で挽肉を買おうとしても、手練れの主婦に圧倒されて、いつまで経っても買えずに、
諦めてスーパーで買ったりするタイプだ。癖のある骨董屋が群れて競い合って、人の事など構わない、図渦しい奴が勝つ、人を遠慮なく押しのけられる奴が勝つ骨董市場は、精神的に疲れてしまって長い時間居る事が出来ない。