茶道具の話 よもやま1

一口に骨董屋とか古物商とか言いますが、その商売のスタイルは ピンキリです。 ピンの口は、親子何代も続く京橋や銀座、青山辺りに店を構える お茶道具屋さんです。このタイプの店には、大抵は修行をしている丁稚のような若いスタッフが居て、荷物を運んだり車の運転をしたりしています。 取扱商品は、基本的にはお茶会で披露できる様なお茶碗です。 お茶道具は、大雑把に2種類に分けられます。 お茶会用とお稽古用です。お稽古用は文字通りお稽古に使用する為の道具で、有名茶道具商はその手の道具の買取等は行いません。 お茶会用の茶碗は、古い時代のある茶碗なら、箱書きのきちんとした箱が揃っていて、箱書きは有名な茶人や家元が書いている茶碗の事です。 現代陶芸の人間国宝的な作家の茶碗なら、その作家本人もしくは鑑定人が署名している箱が付いている茶碗です。 良く言われる事ですが、茶道具は箱が有ってこそ、その価値が認められます。仮に豊臣秀吉が大茶会で使用した茶碗で、箱にきちんと来歴が記載されていて、しかるべく茶人の花押が押してあって真正が認められる道具なら、それは恐らく国宝に認定されるでしょう。 金額にしたら数億の値段が推測されます。 しかし、もしその茶碗の箱が無ければ、ただの安土桃山時代の茶碗なので下手をすれば数十数万円の価値しか認められないかも知れません。 穿った考え方をすれば、箱が数億の価値があるという見方も出来ますね。でも勿論、箱も箱だけではなんの価値も無いのです。 茶碗と箱が揃っていて、初めて驚嘆すべき価値が生まれる不思議な関係です。 そういうある種歪んだ仕組みの中では、もちろんそれを悪用しようとする輩も現れます。 例えば、まず悪い古物商が如何にも古い無名な茶碗を見つけて来ます。その気になれば、江戸時代の古い茶碗など数万円で幾らでも見つかります。それをまず大きさの合った箱を用意して、しかるべき権威のある茶人の元に持ち込み30万円程払って箱書きを書いてもらうのです。すると驚くべき事に、その茶碗は100万円の茶碗の化けてしまうのです。茶人の知名度と箱書きの内容に拠っては200万にも300万にも化けるかも知れません。 勿論、僕はそんな世界とは無縁の骨董商です。蛇足ですが

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