骨董屋の種類さまざま 《ハタ師1》

さて今回は骨董屋の1カテゴリーにハタ師と呼ばれる人々が居ます。これは実に特殊な、人々達で殆どの場合、店舗は持って居ません。持って居ても倉庫くらいです。

どうやって商売をするのかと言うと、全国の骨董市場(骨董屋だけが参加できるオークション)から骨董市場を廻って、骨董品や書画や現代美術品を落札して、他の骨董市場に出品して売却して利ザヤを稼ぐのです。

例えば、20年ほど前は、北海道では古民具は高かったのですが、鉄瓶は安かったので、ある業者は、関東の市場で古民具を買いまくりハイエースに満載して、札幌の骨董市場に運び高値で売却して、帰りに買えるだけ鉄瓶を北海道で買い集めて、東京に運び、鉄瓶好きの業者が集まる市場に持って行き売却するという事をして随分儲けたそうです(僕は、そんな距離を走行するガッツは無かったですが)
また、北陸では九谷焼や蒔絵の漆器などが産地なので、大量に骨董市場に出品されます。それを、ハタ師は落札して、や千葉の骨董市場に持って行くのです。

それらの商売こそ、正に《ハタ師》の仕事です。専従のハタ師で無い骨董屋がハタ師的な仕事をする事を《ハタをする》と言ったりします。つまり、その地域毎に骨董品の価格差があると言う事です。ハタ師は、その地域ごとの値段の違いを正確に記憶していないと仕事になりません。

価格さと言っても何倍もの価格差がある訳では有りません。せいぜい10%~15%ほどの価格差です。その少ない差益を積み重ねて、自分の収入にするのですから、かなり大変な商売であり、骨董商の中でもプロ中のプロと言ってもいいかも知れません。市場の値段は地域差も有りますが・・・・。
(第2回につづく)