《骨董品よもやま 巨匠1   上村松園》

骨董品、絵画、掛軸などの買取をしていると、様々な作家の作品に巡り会うチャンスがある。上手くすると、暫く買い取った作品を手元で眺められるチャンスもあるし、骨董業者の専門オークションに行けば、間近で見られる。それは、美術館で硝子越しに見るのとは違い、その美術品の持つ波動を、直接肌で感じる事が出来る事は、骨董品屋の楽しみでもある。

その中でも、日本絵画史にその名を残す作家の作品は、率直に感動する。先日、NHKのBS放送で《序の舞》という映画を見た。

上村松園の生涯を描いた映画である。
上村松園は、京都のお茶の小売商の家に生まれ、幼少の頃から画才があり、母親が周囲の反対を押し切り、鈴木松年の画塾に通わせた。

《序の舞》は、上村松園の代表作で有り、重要文化財に指定された作品であり、松園自身も《序の舞》に代表される美人画様式を確立して、1948年に女性としては初めての文化勲章を受章している。
しかし、映画を見て改めて知ったが、松園の人生は波乱万丈。

師匠の鈴木松年の愛人にされて、出来た子供は、2度養子に出され、
同じ松年の画塾仲間からは苛められつま弾きにされ、画壇からも白眼視され、いろいろ有って、画塾を追放されてから、竹内栖鳳を頼りその寵愛を受けて、そのバックアップで返り咲くけど、それもまた長くは続かず・・・・。

映画の最後は、絵の仲買人に、身体を求められ(今も昔も身体を求められる事ってあるんだな)、断ると「そしたら、せめて春画を書きなはれ」と言われて、鬼気迫る形相で、畳に敷いた板の上の絹地に這いつくばり春画を描いている場面で終わる。

はっきり言って、ドロドロのグタグタな日本映画である。明治~大正時代の京都画壇の底知れない因習と京都の深い暗闇を描いているような映画だ。後味は悪いけど、なんだか凄い映画を見た感はある。

やっぱり、素晴らしい芸術作品って、フツーな場所からは生まれて来ないのかも知れない。そう思った。
作品に向き合う時は、僕も真剣に向き合わなければ。

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