浮世絵を買取りました

福島県の旧家のお宅から、江戸時代~明治時代の浮世絵版画を沢山買取りさせていただきました。

広重、国芳、豊国、北斎など。一部川瀬破水もありました。膨大なコレクションです。

30年くらい掛けて集められたそうですが、ご高齢になられ、生前整理の意味合いで、売却を決められたそうです。買い取らせていただいた私も、日久々に心拍数が高まる素晴らしい買取り品でした。(私自身も浮世絵版画が大好きという事も有るのですが)買取り金額は、御本人の希望でここではお伝え出来ませんが、めったに無い位の高額買取りでした。

さて、版画と一言で言っても様々な種類が有ります。

最も有名なのは、江戸の六大浮世絵師の歌麿、北斎、清永、春信、広重、写楽の版画です。その中でも抜きに出ているのが、東洲斎写楽の作品です。

写楽は活躍した年月もたったの10ヶ月と短く、その芸術性に於いても、世界の著名な芸術家に多大な影響を与えた点で、他の浮世絵師を寄せ付けません。稀少性に於いても、制作期間が極端に短い為に、現存する作品数が少なく、その殆どが明治期にその芸術的価値に着目した外国人コレクターに買い漁さられ、海外に流失してしまった事もあり、国内には美術館にしか残って居ないと言ってもいいくらいです。

また写楽は《謎の絵師》とも言われていて、正体が判っていません。本職の絵師なのか、商人なのか、武家なのかさえ判っていないミステリアスな部分も、浮世絵ファンの心を擽り掴んで離さないのでしょう。

現在の取引市場に於いても、一般の家庭から偶然発見されるなんて、奇跡は殆ど起こりません。もし発見されて、海外の有名美術オークションのクリスティーズに代表作の《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》などが出品されれば、恐らく5000万円~8000万円程度のエスティメイトが予想されます。

因みに版画の価格は、その作者以外にも、刷った時期(早い方が美しく鮮明に刷り上がるので価値が高い)や、痛み具合の状態などにより大きく変わってきます。例え写楽の本物でも、状態がボロボロならば、その換金性は1/10にも1/100にもなってしまう事が有ります。