《骨董品・美術品の修復に関して  その2・額に入った絵画・掛軸》

額絵や掛軸は、展示・保存の状態が悪いと直ぐに痛みます。
油絵は、クラック(ひび割れ)や剥落、色褪せやヤケ、日本画はクラックは油絵に比べると薄塗りなので、入りにくいですが、剥落やヤケは勿論、シミや黴が発生しやすいです。

掛軸は、額に入っていないので、ヤケ、シミ、汚れ、切れ、欠損、黴、虫食いと、ちょっと油断するとあっと言う間に黴だらけになっていたりします。掛軸は湿気にはとても弱い美術品なので、桐の箱に入れて、その中に防虫剤や乾燥剤を入れておきます。

出来たらメンテナンスとして3か月に1回は必ず陰干しをしたいですね。絶対に陽に当ててはいけません。
いずれにしろ、かなり酷いダメージの状態でも、修復は可能です。

油絵、日本画は、それぞれ専門の修復工房に依頼します。きちんと修復が施されていれば、評価額に変わりは有りません。
掛軸は、殆どの場合、表具師が修復をやります。
まず洗いという技術で汚れを綺麗に洗い流し、シミは一つ一つ丁寧に落とします。

腕の良い表具師なら、破れた部分なども、殆ど判らない位に修復してくれます。黴やヤケも専用の洗浄剤を使って、あらかた落とす事が出来ます。ただし、中には表具師が幾ら修復を施しても、落とせない汚れが有ります。その場合は、掛軸の評価は激減してしまいます。