宝を探せ(大工道具編)その2

大工道具は、大工道具屋や刃物屋で買う事が出来る。しかし、現在では本職の大工さんも釘はマシンで打つし、木材もプレカットなので、鉋も鋸も鑿も、あまり使わないので、一部の有名店以外は、殆ど開店休業に近い状態である。

しかし一部マニアの間では、古い大工道具は、とても人気の商品で、根強い人気があり、ヤフーオークションなどに出品すると高値が付く道具も沢山有った。

中でも鉋の刃は、人気で、高いものになると1枚何十万円もするものもあった。
削ろう会という趣味の集まりがあって、これは年に一度コンテストがあり、そこでは削りカスをどれだけ均一で長く出せるかを競う競技が行われ、順位を決める。

参加するのは、宮大工、木工作家、家具製作者などで、日本全国に1万人もの会員を擁する
かなり大きな趣味の団体である。そこの会員たちは、古い鉋を欲しがる。
古い方が、いい鍛冶屋がいい鋼を使っていて、叩いてから年月が経っているほど鋼が締まるのだそうだ。

10年ほど前には、その開店休業の道具屋に行くと、古い鉋や玄翁の頭が随分と残っていて、
それを根こそぎ買ってヤフオクに出すといい値で売れた。

福島県の喜多方の大工道具屋に行った時は、長谷川幸三郎の玄翁が25本ほど残っていて、
それは一つ2500円で買って、ヤフオクで10000円で売れた。
東京の下町の大工道具屋などには、名人田中芳蔵の鉋などもあり、まさにお宝発見である。

千葉や埼玉の古い大工道具屋に行くと、殆ど半分シャッターが閉まっていたりする。
入っていくと、悲しそうな目をした高齢の店主が、炬燵でテレビを見ていたりするのだけれど、挨拶してから、売れそうな大工道具を物色して搔き集めると、かなりの量になる。

金額も50万円とかになるので、店主も大喜び。見違えるように元気になったりして、僕と大工道具談議に華を咲かせたりして、楽しい時間をすごす。